つづきのはじまり。『DELTARUNE Chapter 1&2』がNintendo Switchで本日配信開始。

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本日公開された「Nintendo Direct 2021.9.24」で、ハチノヨンさんから配信中の『DELTARUNE Chapter 1』の無料アップデート『DELTARUNE Chapter 1&2』が発表されました。アップデートの配信は、本日から始まっています

『DELTARUNE』とは?

『DELTARUNE』は『UNDERTALE』の新たなシリーズとして登場した、別の世界を舞台とするまったく新しい物語のゲームです。
「DELTARUNE Chapter 1」にも登場した「スージィ」と「クリス」。「Chapter 2」では、2人が新たな闇の世界への入り口を発見するところから物語が始まります。サイバーな闇の世界に飛び込んだ彼らを待ち受けている、ちょっぴりヘンテコな冒険とは……?

今回も「Chapter 1」と同様に、開発に関するお話や、今後のお話などなど……開発者のToby Fox(トビー・フォックス)さんからコメントをいただいてますのでご紹介します!

一部、「Chapter 2」のネタバレも含んでいますので、まだプレイされていない方は注意してくださいね。

トビーさんに聞いてみた

Toby Fox(トビー・フォックス):
『UNDERTALE』と『DELTARUNE』の開発者。最近は『おすそわける メイド イン ワリオ』で遊べる“イヌが水を飲むプチゲーム”にハマってる。

こんにちは、トビーさん。ようやく「Chapter 2」が配信されましたね。今のお気持ちをお聞かせください。

こうしてやっと完成して、今の気持ちは……くたびれました。休みが欲しいです。ちょっと、マリオに頼んでもらっていいですか?「ヨッシーアイランドに連れてって」って
あの、制限時間が延びる緑の果物、僕も食べたいです。朝ごはんに食べれば、1日が27時間になって、寝坊できるでしょ?

制限時間、延ばしたいですよね……って、トビーさんお元気そうでなによりです。
前作から2年半~3年程を経ての配信になりましたね。

「Chapter 2」の開発そのものにかかった時間は、じつは、1年半なんです。本格的に開発を始められるようになるまでに、いろいろあったので。とはいえ、3年は長いですよね……。みんなをそんなに待たせてしまって、ちょっと申し訳ない気持ちです……。

「Chapter 2」の開発はどのあたりが苦労されましたか?

「Chapter 1」と『UNDERTALE』は全編僕ひとりでプログラミングしましたけど、手首を痛めてしまったせいで、今はもう、あんまり長時間プログラミングできなくて……なので、「Chapter 2」は90%ぐらい、チームの別のメンバーがプログラミングしました。そう、僕は今回から、ディレクターになったんです(ベレー帽をかぶった、プロフェッショナルなイヌをご想像ください)

トビーさんによる謎のイメージ

人に指示をすること自体は、簡単です。でも、自分の頭の中にあるものを、そっくりそのまま人に作ってもらうのは……自分でやるより10.2倍ぐらい大変なんですね!
特に、隠しボスを楽しく仕上げるのには、すごく苦労しました。プレイヤーのみなさんが、「BIGになる体験」を楽しんでくれるとうれしいです。(Aボタン長押しですよ!)

そんな隠し要素があったとは……って全然隠されてない!? みなさんぜひ試してみてください。また、「Chapter 2」のこだわりポイントはどのあたりでしょうか?

僕が特にこだわっているポイントがあるとすれば、感情に訴えかける演出の面ですね。タイミングがズレていないかとか、キャラクターのグラフィックスが、笑ってちゃいけないところで笑っていないかとか。シリアスなシーンをギャグで台無しにしないように、気をつけてるつもりです。でも、逆にそれがすごーーーくおもしろいときは……あえてやってしまうことも……(*トビーは自転車用ホーンを鳴らした [ぱふ~♪]。ホーンから出た空気で プレイヤーの涙がかわいた)

今回もたくさんの演出が詰め込まれています。

今回も魅力的なキャラクターが登場していますね。彼らはどんな風に生まれたのでしょうか?

主要なキャラクターたちは、だいたいいつも、「今回のストーリーにはこういうタイプのキャラが必要だな」と思って登場させています。たとえば、今回また別の悪モノキャラが必要になって、前回「キング」を登場させたから、今度は「クイーン」にしようかな、みたいな。
そこから、ダイアログを大量に書きまくって、それを6年かけて1万回ぐらい書き直したら……新キャラのできあがり!めでたしめでたし!……と思ったら、また書き直して……(以下、6年間くりかえし)

「クイーン」の登場シーン

他のキャラクターたちは、まず見た目のデザインから入って、「これはどんなキャラクターだろう…」と考えて仕上げた感じですね。ランサーとか、ミュージックショップの店員たちとか、いろんなキャラクターが、そんなふうにして誕生しました。

ミュージックショップの「スイート」、「キャップ」、「K_K」。

特に、ミュージックショップの店員たちが強烈でした……音も含めて、可愛くて仕方なかったです。

ミュージックショップの店員たちには、じつはひとつエピソードがあって……あのキャラは、僕が大好きなデザイナーさんにキャラクターデザインをお願いしたんですが、「音楽系の敵をデザインしてほしい」と頼んだら、サンプルを3体も描いてくれたんです。僕はその3体とも気に入ってしまって、どれかひとつなんて選べなくて……それで、ああなったというわけなんですよ。

この3人組のデザインが気に入ったならNELNALをチェックしてみてください by トビー

次は「Chapter 3」ですよね。配信は……一体、いつ頃になりそうでしょうか?

「Chapter 3」の配信時期は……インタビューで「いつ頃になりそうでしょうか」って聞かれるたびに1年延びます(今また1年延びましたね!)
でも、まじめな話、Chapter 3、4、5が仕上がったら、いったんそこで発売したいなと思ってます。Chapter 2の開発に1年半かかったから、単純計算で……え、ウソでしょ!? タスケテ!

Chapterは、なんと7まで予定されている……!?

それでは最後に、本作をプレイされる日本のユーザーにメッセージをお願いします!

みなさん、僕のゲームを遊んでくれて、ありがとうございます。
じつは、日本語を勉強したので、僕も日本語版の翻訳プロセスに監修として協力できました。翻訳された全ゲーム内テキストを読んで、必要と思った箇所全部にコメントをしてローカライズチームに伝えたので、皆さんが読む日本語テキストはすべて、僕がじきじきにOKしたものです。
日本語になったテキストを読んで、翻訳者の方(※)が手がけたローカライズの質の高さに脱帽しました。日本語訳、大、大、満足です。インディーゲームのローカライズで、翻訳者と原作者がこんなふうに密に協力して、作品の「タマシイ」をプレイヤーに届けようと取り組むケースは、なかなかないですよ
※ 『UNDERTALE』と『DELTARUNE』のローカライズを担当した福市恵子さんは、その他にも『HADES』や『Return of the Obra Dinn』なども手掛けられています。

そうだ、ローカライズ関連で、ひとつ勉強になったことがあるんですよ。日本語の「グラマー」という言葉は、英語の「glamour」とはちょっと違う意味なんですね。英語では、「豪華」とか「艶やか」っていう意味なんですけど、日本語の「グラマー」は、「おっぱいとおしりが大きい」、みたいな意味になる、って。
『UNDERTALE』のメタトン戦のBGM、日本語のタイトルが「華麗なる死闘」なのは、そういうワケなのか……って、初めて知りました。
元の英語のタイトルは「Death By Glamour」なので、これがもし日本語で「『グラマー』に殺される」みたいなタイトルになってたら……日本のみなさんは、「メタトンは大きなおっぱいとおしりでプレイヤーを窒息死させる敵」と勘違いしてたかも。
……まぁ、だい…たい、合ってますけど。

トビーさん、ありがとうございました。『DELTARUNE Chapter 1&2』は本日から配信開始していますので、ぜひみなさんプレイしてみてください。

それではみなさん、よいインディーライフを!

開発資料:「Chapter 2」の舞台、サイバーシティのコンセプトアート by Gigi D.G.

開発資料:サイバーシティのコンセプトアート by Gigi D.G.

DELTARUNE ©Toby Fox 2018-2021. All rights reserved.

edited by : Indie World 担当
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