「Hello! インディー」 第34回 きっかけは、日常の理不尽なことから。『グノーシア』開発者インタビュー。

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Hello!  SOEJIMAです。
今回は先日の記事で紹介した、『グノーシア』の開発元プチデポットのリーダーである川勝(かわかつ)さんに、ゲーム開発のことを聞いてみました。

「人狼ゲームは、なんて理不尽だ!」

プチデポット:
名古屋を拠点とする4人のチーム。初作品は『メゾン・ド・魔王』で、『グノーシア』が二作目となる。モットーは、「自分が遊んでみたいゲームを作る」「できることは全部やる」。

川勝さん、こんにちは!
さっそくですが、まずは開発のきっかけを教えてもらえますか?

『メゾン・ド・魔王』をリリースした頃に、日本で「人狼ゲーム」が話題になっていました。そんな中、うちのプログラマーも興味をもち、実際に遊んでみたんですが……いきなり初日に投票で排除されてしまったらしいんです。人狼役じゃなかったのに、「最初に配られる役職カードをめくる手つきが、プロっぽかった」という理由で怪しまれて。

手つきだけで!?
人狼ゲームでは初日に排除されてしまうと、その後勝敗がつくまではゲームに参加できなくて、少なくとも20~30分は見ているだけになってしまいますよね。初心者だったらトラウマになりそう……。

その時に、彼は「人狼ゲームは、なんて理不尽だ!」と思い、逆に興味が沸いたらしいんです。
その後、仕組みを調べてみると、ゲームとして本当によくできている反面、多くの課題を持っていると感じました。例えば、対人戦なので大人数が必要だったり、1回のゲーム時間が長かったり、役職が増えるとルールが複雑になったり。なにより、人を相手にだましたりだまされたりするので、そういうのが苦手な人は楽しみづらい。なので、初心者にはハードルが高めのゲームだと思いました。

だましだまされ、時には味方から見捨てられることも!?

でも、やっぱり人狼ゲームって面白いんです
何度も読める推理小説とでもいいましょうか。しかも、その小説を自分で体験できる感じ。
だから、『グノーシア』では、苦手な人や初心者でも楽しめる、人狼ゲームの課題を解決するものを作りたいとみんなで決めたんです。

実際に、『グノーシア』は人狼ゲームを知らなくても楽しめますよね。

そこはこだわりましたね。
特に、人狼ゲームの持つ「重たい」イメージを「軽く」するように心がけました
例えば、人を排除することを「コールドスリープ」という表現にしたり、1回のゲーム時間を10~15分程度にしたり。なにより、人に気をつかわず気楽に遊べるように、対戦相手をすべてAIにしました。

コールドスリープって、一瞬めちゃ寒いらしい。

「あんた、家賃払えるじゃないか!」から生まれた前作

初めての人狼ゲームでの理不尽な思い出が、『グノーシア』を作るきっかけになっていたんですね。

実は、前作『メゾン・ド・魔王』も、日常で感じた理不尽なことがきっかけで、開発がスタートしたんです。これは、家賃の回収ができなかったことがきっかけで作りましたから。

『メゾン・ド・魔王』

家賃の回収!?

うちのプログラマーが家賃を回収するアルバイトをしていました。その時、家賃の支払いをいつも断る人がいたんですね。
ある日、いつものように回収できずに帰るとき、ふとその人の家のベランダを見てみると、とても高そうなスノーボードがいっぱい置いてあって。「あんた、家賃払えるじゃないか!」と思いながら、でも回収できないっていう理不尽なことがあったらしいんです。

そんな時、この家賃回収をゲームのテーマにしてみよう!……と思い、生まれたのが『メゾン・ド・魔王』だったんです。

モンスターから家賃を取り立てながらアパート経営する、タワーディフェンスゲームです。そんなきっかけがこのゲームにあったとは。

会議の泥臭さを、ゲームで表現したい

プチデポットさんのゲームには、みなさんが日常で感じたことが反映されているんですね。
他にも、『グノーシア』において何か影響を受けたことはありましたか?

一つ挙げるなら「会議」ですね。
「会議のエンターテインメント化」をゲームにしたら面白いんじゃないかと思いました。

普段、会社などで行われているような「会議」でしょうか?

そうです。会議って正論だけでは物事が決まらないということが多々起こりますよね。正しくない意見でも、周りの賛同を得た方が当然優位になる。空気を読まなきゃいけなかったり、感情で物事が決まったり。合理的でないことばかりで、そういう時に理不尽さを感じたんです。
そういった会議でのヒエラルキーや、忖度、根回しなどの泥臭さを、ゲームというエンターテインメントで表現できたらな……と考えました。

そこで、プレイヤーには見えないところで、信頼度や友好度、ヘイト(注目度)といったパラメータを仕込んでいます。これによって人間の不合理さが加わり、ただ論理的に推理するだけじゃないAI相手の人狼ゲームが生まれたんです。

信頼関係が大事

目立ちすぎてはダメ

まさか、会議の要素をゲームに取り込んでいたとは……。
だからこそAIが相手でも、どこか人間味が感じられたんですね。

これは私たちの持論ですが……身近なちょっとネガティブなことを、ポジティブにゲームへ取り入れると、いいモノが生まれると思うんですよね。会議も家賃の回収も、視点を変えればそのやり取りは面白く感じるし、テーマが身近な分、共感が得やすい。
なにより、そういうテーマだと私たちの気持ちが強く入りますから。その結果、いいゲームができると信じています。

一緒に戦うキャラクター(AI)は総勢14名。個性を出すのに力を注いだとのこと。

さいごに

それでは最後に、メッセージをお願いします。

人狼ゲームに興味はあっても、遊んだことのない方々にも楽しめるように開発しました。
また人狼ゲーム好きの方にとっても、新たなアプローチのゲームなので新鮮な感覚で楽しめるはずです。デジタルゲームでしか味わえないアドベンチャーゲームやRPGの要素、先の読めないストーリーが待っていますよ。ぜひ、みなさん楽しんでみてください。

川勝さん、ありがとうございました。
『グノーシア』は、4月30日発売です、お楽しみに!

それではみなさん、よいインディーライフを!

キャラクターの設定資料ノート。「ジナ」についてまとめられています。

デザイナーさんの机の横に貼られた14名のイラスト。こうやって常に全キャラクターのバランスを見ていたとのこと。

©2020 Petit Depotto.
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edited by : SOEJIMA・BOKU
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