あざやかに復活した『ポケットモンスター 金・銀』! 数々の名場面や今だからこそ語れる話が満載! 時を経ても新鮮な「面白さ」の本質に迫る![Vol.1]

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こんにちは。ポケモン公式ガイドブックの著者の元宮秀介です。ただいま『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』の公式ガイドブックを制作中です。今回は、ポケモン史上初となる本格的な設定資料集付きの特別版も発売しますのでお楽しみに!

そういう理由から忙しい日々を過ごしているのですが、つい遊んでしまうのが、ニンテンドー3DSバーチャルコンソール『ポケットモンスター 金・銀』なのです。なんだか心が落ち着くんですよ。
「ポケモンの疲れはポケモンでとる」
人に座右の銘を聞かれたら、僕はこのように答えます!

「ピカチュウは すでに しんか した ポケモンである! あの ウツギはかせの はっぴょう には わたしも びっくり しちゃった!」

『ポケモン 金・銀』のワカバタウンで暮らしている女性が話す言葉です。

この印象的な言葉のように、『ポケモン 金・銀』には、すごい数の「びっくり」が詰め込まれています。

『ポケモン 金・銀』は、1999年11月21日(日)に発売されました。18年前に発売されたので、未体験の人は「レトロなゲーム」だと思っていませんか。

しかし、僕は断言します。2017年に遊ぶ『ポケモン 金・銀』は、まったく「懐かしいゲーム」ではありません! 新鮮な驚きに満ちあふれています! 

2016年に発売されたニンテンドー3DSバーチャルコンソール『ポケモン 赤・緑・青・ピカチュウ』のときと同様に、今回も『ポケモン 金・銀』の魅力を熱く語っていきます。短期連載ですので、どうか最終回までご愛読いただけるとうれしいです。

なぜ、2017年の現代において、18年前に発売された『ポケモン 金・銀』が今なお輝きを放っているのか。その証として『ポケモン 金・銀』から新たに登場した要素を列挙してみます。

『ポケモン 金・銀』から加わった主な新要素

● ポケモンのタイプに「あく」と「はがね」が追加
● タマゴからしか手に入らないポケモン(ピチューやエレキッド、ブビィなど)
● 新たに進化するポケモン(ヤドキングやハッサムなど)
● 朝、昼と夜、それぞれの時間帯だけに出現するポケモン(ヒマナッツやヤミカラスなど)
● 特定の曜日だけに出現するポケモン(ラプラス)
● 移動し続けるポケモン(ライコウ、エンテイ、スイクン)
● 姿の違うポケモン(アンノーン)
● 色違いのポケモン
● ポケルス(ポケモンを強く育てる良いウイルス)
● ポケモンの大量発生
● きのみ

どうですか! このゲームに投じられたアイデアの多さは! 現在の『ポケットモンスター』シリーズにも受け継がれている重要な要素の数々が、一挙に登場したわけです。1999年当時に『ポケモン 金・銀』を遊んだときは、興奮!興奮!興奮!の連続でした。1999年は、今のようにインターネットが広く普及していません。僕は出はじめの携帯電話で、友だちとお互いの新発見を報告し合っていました。

また、『ポケモン 金・銀』は、『ポケモン 赤・緑』と比べて、物語性が強化されました。それぞれの街ごとにイベントがあり、波乱万丈の展開がくり広げられます。殿堂入り後もイベントが盛りだくさんです。そんなドラマチックな『ポケモン 金・銀』から、僕が独断で選ぶ名場面をご紹介しましょう。

『ポケモン 金・銀』の私的名場面ベスト10

私的名場面1
オープニングのオーキド博士のセリフ

『ポケモン 金・銀』の冒頭ではオーキド博士が登場し、ポケモンという生き物の紹介をしてくれます。このオーキド博士のセリフの中に、見逃すことのできない重要な言葉があります。

「しかし わしらは ポケモンのすべてを しっている わけでは ない」
「ポケモンの ひみつは まだまだ いっぱい ある!」

さりげなく語られるセリフなのですが、この後にひかえるポケモンの新たな生態の発見の伏線になっているのです。そう思うと、とてもワクワクするセリフに感じられると思います!

私的名場面2
ポケモンじいさんの古い友だちは?

物語の冒頭で、主人公はウツギ博士からお使いを頼まれます。

「ぼくの しりあいにね ポケモンじいさん といって へんなモノを みつけてきては だいはっけん! って おおさわぎする おじいさんが いるんだよ」
「で さっきね 「こんどこそは ほんもの ですぞ!」 って メールが きたんだ」

ウツギ博士は、研究で多忙とのこと。冒険の最初のパートナーとなるポケモンをもらった後、主人公は30ばんどうろでポケモンじいさんに出会います。
ポケモンじいさんの建物の中にいる人物は、有名なオーキド博士なのでした。ポケモンじいさんとは、古い友だちとのこと。オーキド博士は、ウツギ博士の実力を見込んで、「ふしぎなタマゴ」をたくしたい、と言います。

「この世界には、ポケモンの研究家が何人もいる。他にどんな博士がいて、どんな研究をしているのだろう……」。
僕がポケモンの世界の広がりを感じた印象深いエピソードです。

私的名場面3
悪の心を持ったライバルの正体?

主人公が初めてポケモン研究所を訪れたとき、窓からその様子を盗み見している少年がいます。話しかけると、主人公をけっ飛ばして追い払います。なんて乱暴な性格の持ち主なのでしょう。
その後、この少年は、ポケモン研究所からポケモンを盗み出し、主人公のライバルとして立ちはだかります。
赤い髪の少年。
当時、僕の周囲ではこの少年の正体をめぐって、議論になりました。
「一体、親は誰なのだろうか」
僕の中では仮説が立っているのですが、明言はさけておきましょう。皆さんも、この少年の素性を想像してみると、面白いですよ。

私的名場面4
アルフの遺跡のパズル

アルフの遺跡は、およそ1500年前につくられたそうです。研究が10年も続いているそうですが、誰が何のためにつくったのかわからない、とのことです。遺跡の地下には、アンノーンが存在しています。地下へ行くには、パズルを解く必要があります。このパズルにはヒントはありませんが、難易度が絶妙なのです。パズルが苦手な僕でも、なんとか自力で解くことができました。
パズルが完成すると、カブト、プテラ、ホウオウ、オムナイトの絵柄が出来上がります。カブト、プテラ、オムナイトは、古代に生息していたポケモンです。ホウオウは、神話に登場するポケモンです。アンノーンとどのような関係があるのでしょうか。いまだに、その謎は解けていません。

私的名場面5
ぼんぐり職人のガンテツがつくるボール

ヒワダタウンには、ぼんぐり職人のガンテツがいます。モンスターボールが開発されるまで、ぼんぐりの中身に特殊な装置を埋め込んで、ポケモンをつかまえていたそうです。
職人気質のガンテツは、盗まれたポケモンを探すために、悪者を追いかけていく正義感の持ち主です。
そんなガンテツにぼんぐりをわたすと、ボールにしてくれます。ガンテツがつくるボールは、ルアーボールやムーンボール、ヘビーボール、レベルボール、スピードボール、フレンドボール、ラブラブボールです。他の地方にはないボールばかりです。
これらの名前を見て「おやっ?」と思ったあなたは、ふふふ、『ポケモン サン・ムーン』を遊びましたね。そうです、これらのボールは『ポケモン サン・ムーン』で再登場しているのです。11月17日(金)に発売される『ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン』でも手に入るのでしょうか。気になるところです。

私的名場面6
エンジュシティのやけたとうの地下にいるポケモン

エンジュシティには、やけたとうがあります。この地下には、伝説のポケモンのライコウ、エンテイ、スイクンが潜んでいます。この3匹は、目撃した瞬間に、どこかへ走り去っていきます。
とうの近くにいる女性が語ります。

「3びきの おおきな ポケモン あちこちに はしりさっていったわ なんだったのかしら?」

初めて遊んだときは、これが伝説のポケモンだとは想像すらしませんでした。しかも、生息地を持たず、ジョウト地方を疾走し続けるポケモンだとは!

私的名場面7
アサギシティのアカリちゃん

アサギシティジムに入ると、ジムリーダーのミカンは、灯台にいるポケモンのお世話をするために出かけていることがわかります。アサギの灯台の最上階へたどり着くと、アサギシティのジムリーダーのミカンは、アカリちゃん(デンリュウ)を看病していて、海を渡って薬を持ってきてほしい、と頼まれます。デンリュウの尻尾の光は、はるか遠くまで届き、迷った者の道標になります。ミカンは、そんなデンリュウを助けようとしているのです。
ポケモンと人が互いに支え、助け合うことがわかる心温まるエピソードです。

私的名場面8
ロケット団に占拠されたチョウジタウン

チョウジタウンは、ロケット団に占拠されています。ロケット団は地下にアジトを作り、復活ののろしを上げる日を待っています。この怪しげな動きをいち早く察知したのは、『ポケモン 赤・緑』で四天王として登場した、ドラゴン使いのワタルです。主人公は、ワタルとともに戦い、ロケット団を解散まで追い込みます。サカキの部屋にいるのは……意外にもロケット団の幹部でした。

「サカキさまは 3ねんまえ かいさんせんげんを したまま いまも しゅぎょうちゅう…… だが いつの ひか おもどりに なられるのを しんじて こうして るすを まもってるのだ どんな やつにだって あらされて たまるか!」

立派な忠誠心ですが、サカキは最後まで姿を現しません。
ラジオとうに行くと、DJのクルミがいて、嘆いています。

「どうして…… こんな めに あうの……? ニャースちゃん たすけてー!」

ロケット団は、ラジオとうを利用して、団の復活宣言をするつもりでした。しかし、主人公やワタルとのポケモン勝負に負け、あっさりと解散してしまいます。

「すべてのゆめが いま おわりましたよ」
「サカキさまが そうしたように わたしたち ロケットだんは ここで かいさん しましょう さらばです」

いったいサカキはどこに潜伏しているのでしょうか。

私的名場面9
ジョウト地方からカントー地方へ!

ジョウト地方での冒険を終えると、主人公は出発点であるワカバタウンにもどってきます。ひでんわざ「なみのり」でワカバタウンの東にある滝を登ったその先は……なんと『ポケモン 赤・緑・青・ピカチュウ』の舞台のカントー地方なのでした。
そばにいる男性が言います。

「きみは いま! カントーちほう への だいいっぽを ふみだした! なんだったら タウンマップで かくにんして ごらん!」

いまなお記憶に残る名ゼリフです。

私的名場面10
殿堂入りの部屋へ入ろうとするクルミのレポーター魂!

主人公は様々な苦難を乗り越え、物語の終盤にはポケモンリーグに挑戦します。四天王たちに勝利し、いよいよチャンピオンと一騎打ちです。チャンピオンはチョウジタウンでともに戦ってきたワタルです。

主人公は、やがてワタルに勝利します。
そこにオーキド博士とDJのクルミが駆けつけてきます。主人公は、ワタルに導かれて、殿堂入りの部屋に入ろうとします。
そのとき、主人公にインタビューしようと突撃してくるクルミが、健気でかわいらしいです。立派なレポーター魂と言えるでしょう。
でもワタルから「…… なんだか さわがしく なってきたな……」と呆れられてしまいます。そんなドジっ子ぶりもグッドです

『ポケモン 金・銀』のストーリーに関しては、まだまだ語りたいことがたくさんあります。殿堂入り後に旅するカントー地方の名場面は、次回お話ししたい、と思います。それでも、あるんです、今回どうしても語っておきたいことが!
題して「細かすぎる私的名場面ベスト3」!
おしゃべりなんです、わたし。

細かすぎる私的名場面ベスト3

細かすぎる私的名場面1
ポケギアの「ピッ!」

主人公が持つポケギアには、さまざまな人から電話がかかってきます。例えば、お母さんからの電話。

「もしもし ゴールド げんき? きょう おかいものに いったら よさそうな どうぐが うってたから ゴールドの おかねで かっちゃった! ごめんね! でも パソコンに いれておいたから つかってね! きっと やくにたつわ! ピッ! ……」。

僕はこの電話の末尾にある「ピッ!」が大好きなのです。電話を切った音をセリフで表しているのだと思います。が、僕はその人物が最後に自分で「ピッ!」と言っているところを妄想しては、ニヤニヤしていました。

細かすぎる私的名場面2
色違いのポケモン

通常のポケモンとは体の色が異なる色違いのポケモンは、貴重な存在です。手に入れたいのに、まったく出会えない。それはプレイヤーの皆さんに共通する悩みでしょう。しかし、意外と色違いのポケモンを見逃しているケースがあるのです。色違いのポケモンの中には、ギャラドスのように全身が赤く、わかりやすい種類がいます。しかし、ピカチュウのように体の色の違いがパッと見ではわかりにくい、微妙な差を持った種類もいます。このように、あまり目立たない色違いのポケモンの出現に気づくポイントは、サウンドです。出現と共に「キラリン!」と素敵な音が鳴るのです。色違いのポケモンを探す際は、ヘッドフォン着用を推奨します!

細かすぎる私的名場面3
わざ「はかいこうせん」の効果音

わざ「はかいこうせん」の轟音ともとれる効果音は、必聴です! 威力150を誇るわざの強さが見事に表現されています。わざ「はかいこうせん」は、ワタルがくり出すポケモンがよく放ちます。こちらもぜひ効果音にも耳を傾けてください。


最後に皆さんに、ちょっとマニアックなクイズを出題!
『ポケモン 金・銀』から曜日ごとに起こるイベントが採用されました。
代表的なものは、なんといっても毎週金曜日に、つながりのどうくつ地下2階に出現するラプラスですよね。

それではこれらのイベントは何曜日に起こるのでしょうか。
3つのクイズに挑戦してみてください。

【クイズ 1】
 夜の時間帯におつきみやまのひろばで踊っているピッピの姿を見られるのは何曜日?

【クイズ 2】
 おつきみやまでのバトル後、りゅうのあなで修行しているライバルと出会えるのは何曜日と何曜日?

【クイズ 3】
 ラジオ番組「ラッキーチャンネル」で「今週のナンバー」が発表されるのは何曜日?

正解は次回に発表します! お楽しみに!

©1995,1999 Nintendo/Creatures inc./GAME FREAK inc.
©2017 Pokémon. ©1995-2017 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
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