「Hello! インディー」第5回 コメディ感覚で楽しめるゴルフRPG

  • この記事をシェアする

Hello! SOEJIMAです。今回は『ゴルフストーリー』の紹介です。
ゴルフに興味がない方もゴルフの知識のない方も大丈夫、これはコメディ感覚で楽しめるゴルフRPG(※)なんです。SOEJIMAも始めるまでゴルフの知識はほとんどありませんでした。
後半には制作者に聞くコーナーもありますのでお楽しみに。ではさっそくスタートです。

※RPG:RPG(アールピージー)は Role-Playing Game(ロールプレイングゲーム)の略。ロールプレイング(役割を演じる)という言葉の通り、プレイヤーがゲーム内の架空の世界の主人公となってストーリーを進めていくゲームを指すジャンルです。

なんでもゴルフで解決せよ!

おおまかなストーリーは、「主人公が様々な経験を積みながら、プロゴルファーを目指す」とシンプルなのですが、突っ込みどころ満載のシチュエーションの連続なんです。

カメと友達になったり、ゾンビを撃退したり、ドローンを操縦したり、大魔導士と戦ったり……。さらに殺人事件の真相を解明して、あげくの果てにはラップバトル!?

いい意味でハチャメチャです。さまざまなシチュエーションでいかにゴルフを使うか、という開発者のアイデア・ネタに溢れています。お爺さんたちとのラップバトルには笑いました。

クセの強いキャラクター&セリフ!

そしてクセの強い登場キャラクターたち。彼らのセリフひとつひとつにユーモアや毒があります。
・家庭よりもゴルフを選んだ(おそらく20代後半~30代前半の)主人公
・そんな主人公のゴルフの夢をやたらバカにしてくる妻
・ツンデレというかほぼツンしかないヒロイン(妻とは別人です)
・ネットの書き込みや評判をやたら気にするコーチ
・金にがめついオーナー
と、普通のキャラクターがあんまり見当たらない。ゲーム開始早々に、妻と揉めるシーンから始まるゲームも見たことなかったです。

この妻は、主人公の賞金を目当てに大会を見に来たりします。しかも他の男性を連れてきてますから!もう海外コメディのような展開です。そして、セリフの吹き出しが震えたりする演出も、コメディ感を引き立てています。

ディスクゴルフが鬼門!

いろんなイベントやネタがありましたが、その中でも特に「ディスクゴルフ」のミニゲームが難しすぎた!ここで心が折れかけた方もいるのでは……。それでも、全体を通して繰り広げられるコメディのような展開は、ぜひみなさんにも一度体験してみてほしいんです。もちろんゴルフゲームとしてもちゃんと面白いですよ。

制作者に聞いてみよう

それではみなさんお待たせしました!今回は『ゴルフストーリー』のデベロッパー「Sidebar Games」のAndrew(アンドリュー)さんに聞きました。

Sidebar Games:アンドリューさんと弟のダニエルさんの兄弟2人で構成されている、設立8年の会社。オーストラリアのクイーンランドに拠点を置く。『ゴルフストーリー』自体が初めての家庭用ゲーム機向けタイトルで、開発期間は約1年。アンドリューさんの趣味はもちろんゴルフ!

左がアンドリューさんのデスク、右がミーティングルーム。ゴルフゲームが飾られていますね。

どこでもゴルフ!がきっかけ

アンドリューさん、こんにちは!今回ゴルフをテーマにしたRPGということですが、どういうきっかけで本作を作ろうと思ったのでしょうか?

元々趣味がゴルフだったこともあり、たくさんのゴルフゲームを買ってプレイしていました。そのうちにゴルフゲームを作りたいと思うようになり、アイデアを模索していました。その中で「いつでもどこでも、クラブでボールを打つことができる」というアイデアを試していたのがきっかけです。

そうだったんですね。ゴルフボールは直接投げることもできるし、打って人にも当てられちゃうのが新鮮でした。しかも当たったときのセリフもすべて用意されていましたね!

街中のどこでもだれでもボールが当たれば反応が返ってくるように、家、橋、砂、雪、草の種類や、人から芝刈り機まで……細かくセリフを設定しましたね。これを試してみて面白かったので、本格的に開発していきました。

英語版とはまったく異なるラップバトル

ゲーム中、数々のイベントやネタを楽しませてもらいました!作っている人自身が楽しんで作られたんだろうなと感じました。

はい!私が思うに、ゴルフって結構退屈なスポーツだと思われているのかなと。だから、ゴルフの部分よりもストーリーに沿ったイベントやネタ部分の比重を高くしました。そんなことをゴルフで解決するの!?と驚いてもらえるものを盛り込むことに集中しました。

特に、ゴルフに絡めたラップバトルのシーンが面白かったです!

ラップバトルを楽しんでもらえて嬉しいです!もともとラップに興味はなかったのですが、開発中にラップがテーマの映画を見たことがきっかけで、このシーンを入れようと決めました。でもラップの韻を考えるのには、本当に長い時間かかり苦労しました……。

日本語版ではまったく別の歌詞で韻を踏んでいるのもすごいですよね!

ここはフライハイワークスさんに素晴らしい翻訳をしてもらえましたよ!日本語は完全に彼らのオリジナルですからね。

手触りでもわかる、キャラクターの感情

キャラクターのセリフの表現もバラエティ豊かでした。コメディ感があふれる演出として、大きな役割を果たしていたかと思います。

各キャラクターの感情は、ただのテキストだけでは伝わらないと思うんです。そこで「吹き出し」でいろんな感情を表現するシステムを作りました。例えば興奮している場合は吹き出しが揺れて、困っている場合は小さくなったり霞んだり。回転や拡大なども使っていますね。

いろんな「吹き出し」が出てきますよ。

この吹き出しの表現だけで伝わる感情ってありますよね。また、HD振動も活用されていましたね。多種多様な振動が盛り込まれていて驚きました!

HD振動は、主にボールを打ったときの衝撃やボールがバウンドした時の感覚を伝えるために使っていますが、さらにセリフの表現にも取り入れてみたんです。話すキャラクターの感情を、手からも感じとってもらえたかと思います。どうでしたか?

ボールがホール外へ落ちたり、キャラクターが間抜けなセリフを言った際に「ヒョロロロ~」という振動が出てきたときはニヤけちゃいました。こんな使い方あるの!?って。他にも雪のステージで凍えながら喋るセリフでは「ガタガタブルブルッ」と寒そうな振動がありましたね。

これは映像ではなかなか伝わらないので、ぜひみなさんにも一度体感してみてほしいですね。
それではアンドリューさん、最後にメッセージをお願いします!

『ゴルフストーリー』はいろいろなゲームの影響を受けていますが、その中でもゴルフ部分は『マリオゴルフ』、ストーリー部分は『ペーパーマリオRPG』から大きな影響を受けた作品なんです。ゴルフ自体に興味がある方はもちろん、ゴルフゲームが好きな方にもぜひ楽しんでいただけたら嬉しいですね。

アンドリューさん、ありがとうございました!

それではみなさん、よいインディーライフを! 

開発中の資料の一部を見せていただきました。
オープニングのロゴの位置や、最初のキャラクターのドット絵、乗り物のラフスケッチなど。

© Sidebar Games

edited by : SOEJIMA・BOKU
  • この記事をシェアする
この記事のほかにも、こんな記事があります。