「Hello! インディー」第14回 パズル感覚でプログラミング!『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』

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Hello! SOEJIMAです。
今日は
プログラミングをテーマにしたゲーム『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』を紹介します!
プログラミングってなんだか難しそうなイメージがありますよね?でも、このゲームは、プログラミングの知識がなくてもパズル感覚で楽しめて、かつ自然とプログラミングの考え方が学べてしまうんです!

制作者に聞くコーナーもありますのでお楽しみに。

タイトルの名前を直訳すると「70億人」……って全世界の人口ですかね。

課題通りに社員を動かすために、どう指示を与えるか?

このゲームは、以前紹介した『ヒューマン・リソース・マシーン』というゲームの続編にあたるのですが、前作をプレイしていなくても問題無し! 前作も今作も考え方は同じで、「課題通りに社員を動かすため、どう指示を与えるか?」を考える、課題クリア型のパズルゲームです。

例えば、最初の課題はこんな感じです。

最初の課題では3人の社員をどうやって動かすかを考えます。

右に課題が書いてありますね。用意されたコマンドを並べたものが社員への指示になるわけです。このコマンドをどう並べるかが大事で、このゲームの考えどころ。
ここでは、3人の社員が1マス下に移動し、パネルを拾って、また足元に戻すように、コマンドを並べてみます。

まずはSTEP(下に移動)というコマンドを出し、

次にPICKUP(パネルを拾う)、DROP(パネルを戻す)というコマンドを出す。

完成した指示(これがプログラム!)を実行してみると……

無事に実行できましたね!

前作との違いは「全社員に同じ指示を!」

前作では指示を出す社員は1人だったのに対して、今作では複数人の社員が相手です。「全社員に同じ指示を出して、それぞれが課題を満たすのか?」というのがポイント。各社員が置かれている状況がそれぞれ異なっていても、全員が課題をクリアするような指示を見つけるんです。この考え方はプログラミングで非常に大事!

例えば、こちらの課題では右に動かしたい社員と、左に動かしたい社員がいます。こういう状況でも、うまくコマンドを使うことで、全員を課題通りに動かすことができますよ。

各社員をパネルのある方向の穴へ落そうという課題。社員を穴に落とすって……。

まるで教材のよう!

要求される課題の難易度や、クリアに必要なプログラムの長さは徐々に増していきます。それに伴い、使えるコマンドの種類も増えていくのですが、新しいコマンドが出てきたときにはちゃんと説明があり、使いながら学べるので、置いてけぼりになることなく進められます。このあたりはかなり丁寧で、まるで教材のようです!

パネルをシュレッダーに出すためのコマンドですね。

社内恋愛!? 挨拶まで指示がないとできないなんて……。

そして、このゲームの醍醐味はなんといっても、自分の組んだプログラムが課題通りに上手く行ったときの気持ちよさ! 特に、苦心して組んだ長いプログラムで課題をクリアできたときなんかは本当に気持ちがいい。スカッとします!
さらに「効率化目標」というものもあり、プログラムの長さ(行数目標)や、プログラムを実行した際にかかる平均スピード(スピード目標)が設定されています。
「いやどうやってもその長さに縮められないわ!」って突っ込みたくなることもありますが、解けたときはもう爽快、自信がつきますよ! 全目標達成できたらすごいです。

クリアはできたけれど……でも目標にはほど遠い!
ここからどれだけ目標に近づけるかが、やりこみ要素ですね。

今作が楽しめた人であれば、前作『ヒューマン・リソース・マシーン』も楽しめること間違いなし。もしくは前作からプレイしてみてもいいかもしれませんね。
難点があるとすれば、TVモード時のJoy-Conのポインタ操作がちょっと難しい。タッチ操作ができ、いいプログラムを思いついたときにすぐ試せる携帯モードがおすすめ!
ちなみに、前作に続きブラックユーモアたっぷりなストーリーも健在。個人的に好きだったのが、入社21年目22年目。プレイしていて一人で笑ってしまいました……。

さて、どんな人たちが作っているんでしょうか。それでは制作者に聞いてみようのコーナーへ行ってみましょう!

制作者に聞いてみよう

さて、今回は『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』のデベロッパー「Tomorrow Corporation」のKyle(カイル)さんに聞きました。

Tomorrow Corporation:カイルさん含めた4人で構成。2009年設立のアメリカの会社。過去作には『リトルインフェルノ』、『ヒューマン・リソース・マシーン』が挙げられる。全員住む場所が異なりオフィスが無く、普段はビデオ会議で打ち合わせをしている。ちなみに全員が揃うのは1年に1回だけらしい。

きっかけは大学の授業から

カイルさんこんにちは。
まずは『ヒューマン・リソース・マシーン』や『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』といったプログラミングをテーマにしたゲームを開発されたきっかけを教えてください!

『ヒューマン・リソース・マシーン』の前作『リトルインフェルノ』を作り終えたあと、色々なゲームのアイデアを試していました。その中で、大学で受講していたコンピュータの授業に基づいたプログラミングゲームを試してみたのがきっかけです。
プロトタイプ(※)を試してみるまでは懐疑的だったのですが……意外と初心者でも楽しめて、妙に中毒性があったんです。

プログラミングゲームのプロトタイプはこんな感じでした。

※プロトタイプ:商品やサービスなどの試作品のことを言います。ゲームのアイデアは紙の上だけではわからないこともあるので、試しに作ってみて面白いかどうかを確かめたりするんですね。

大学の授業がきっかけで、『ヒューマン・リソース・マシーン』が生まれたんですね。

僕たちのチームはたくさんのプロトタイプを試しながら開発をしています。
例えば、『グーの惑星』は、「グーの塔(Tower of Goo)」というプロトタイプがきっかけでした。小さいボールを積み上げてどこまで高さを出せるか?というゲームだったんです。
『リトルインフェルノ』は経済のしくみをゲームにできないかと考えていたのがきっかけです。物を買って、壊して、お金を稼いで、さらに物を買うというサイクルが楽しかったんです。

教育現場からの嬉しい声

そうだったのですね。プログラミング教育に興味があって開発したわけではなかったんですね!

はい、元々意図したわけではなかったのですが、色々な教育現場で役に立っているという声をいただいていて、とても嬉しい限りです。
『ヒューマン・リソース・マシーン』は、小学校の先生から夏のキャンプや授業で使ってくれたという報告や、大学のコンピュータサイエンス学科の教授からは、宿題として使ったり、カリキュラムの一部として組み込んだりしたという報告もありました。

僕も子どもにプレイしてほしいと思いました!

『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』もまだ出たばかりなのですが、世界中の教師の方から色々な要望をいただいていますよ! これでプログラミングに触れてもらい、実際の就職にも役立ててほしいなと思ってます。

細かいこだわりと次回作

パズル感覚で遊べて、しかもプログラミングの考え方が学べる……それが Nintendo Switchでできるんですよね。お子さんがこれを遊んでいたら、ゲームの時間にはカウントしないであげてほしい!

それでは最後にユーザーへひとことお願いします!

実は登場するすべての社員は短いセリフをもっているんです。でもほとんどの人がこれに気づいていないんです! ぜひタッチして見てほしいですね。

たまにドキっとするセリフをしゃべる社員もいますよ。

これは僕も気づきませんでした。課題を解くのに必死でした! しかも全員分のセリフがあるんですね、すごい。

あと今作にも登場していた女性の上司のキャラクターは『リトルインフェルノ』から今作まで3つのゲームすべてに登場しているんです。そして……次回作にも登場する予定ですよ!

次作のタイトルは『Welcome to the Information Superhighway』

す、すごいインパクトのあるタイトルとイラストだ! そして、どんなゲームか全く想像がつかない……

まだ具体的なことは言えませんが、こちらもぜひ楽しみに待っててくださいね!

次回作も楽しみですね。カイルさんありがとうございました!

それではみなさん、よいインディーライフを!

開発中の資料の一部を見せていただきました。パズルの原案や女性上司の登場シーンですね。


© 2018 Experimental Gameplay Group, LLC

edited by : SOEJIMA・BOKU
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