2019.10.10
Nintendo Switch  Indie World

「Hello! インディー」第30回 8ビットへのこだわりにあふれた『すすめ!! まもって騎士 姫の突撃セレナーデ』

  • この記事をシェアする

Hello! SOEJIMAです。

今回は『すすめ!! まもって騎士 姫の突撃セレナーデ』を紹介します。

後半は開発者のインタビューもありますので、お楽しみに。

8ビットへのこだわりに溢れた作品

まずゲームの中身の話をする前に、トレイラーを見たあなたはこう思うはず、

 

「これは……ファミコンのゲーム!?」

 

そう、本作は8ビットへのこだわりにあふれた、本格アクションタワーディフェンスゲーム(※)なんです。

※8ビット:ファミコンやゲームボーイなど、昔の8ビットゲーム機で使われていた表現のことを指します。ドット絵やピコピコなサウンド、と言われた方が皆さんにはイメージしやすいかもしれません。昔のゲーム機では、厳しい制約の中でどれだけ豊かな表現ができるか?に開発者は頭を悩ませていました。

 

※タワーディフェンス:周囲から侵攻してくる敵から、本拠地を守るゲームのジャンルを指します。フィールド上に味方や砲台などを配置するのですが、配置にはコストが必要だったりします。配置する場所やコストのやりくりに、戦略性が求められます。

ゲームの舞台は、8ビットのチカラがあふれる世界「マジカルランド」。

異界より現れた魔の手からこの世界を救うべく、王女ローラ姫とその親衛隊である8人の「まもって騎士」が立ち上がる…って、なんだかネーミングからもう懐かしい。

個性豊かな8人のキャラクターと「マジカルランド」を救え!

徹底的にレトロさを追求したグラフィックスやサウンドや、当時のゲームやアニメを彷彿とさせるパロディネタなど、80年~90年代のファミコン世代ゲーマーにとってはあるあるネタの宝庫となっています。でもこのゲーム、ただ懐かしいだけじゃない!

ゲーム中の小ネタもパロディ満載です!

万人が楽しめる、爽快アクションタワーディフェンス

『まもって騎士』のルールはとてもシンプル、それは「姫をまもる」ことだけ!

プレイヤー自身は何度倒されてもいいのですが、お城にいる姫が敵に倒されてしまったらゲームオーバー。常に姫に気を付けながら、四方八方から近寄る敵を次から次へと倒し続けます。

今作は城が動くというアグレッシブな設定です。お城の姫を守りながら、目指すはいざ敵の城!

ちょっとアクションが苦手、という人も大丈夫。チュートリアルは丁寧にできていて、さらにイージーモードも完備されています。4段階の難易度が用意されていて、その上ステージは全部で100ステージ以上というボリュームも嬉しい。

最初はイージーとノーマルが選択可能。クリアすればハード、そしてヘル(地獄)とオープンしていきます。

しかも、今作はオフラインでもオンラインでも最大4人で協力プレイが可能!

おすそ分けプレイで1画面でも、インターネット通信でフレンド同士や見知らぬ誰かとも、最大4人で遊ぶことができます。キャラクターごとに異なる能力で上手く役割分担できてくると、より楽しくなってきます。

4人に立ちはだかる巨大なボス、みんなで上手く協力しナイト!

もちろん、タワーディフェンスゲームならではの考えどころもしっかりとあります。

バリケードをどうやって作るか?どのキャラクターで立ち回るか?どのスキルをアップしておくか?どこに姫を置いておくか?…などなど、奥深い戦略性が楽しめます。

序盤はアクションだけで押し切れるけど、中盤以降はしっかりと陣形を考えナイト!

そして、SOEJIMAが『まもって騎士』で一番好きなところ、それはこのわしゃわしゃ出てきた敵をなぎ倒す爽快アクション。もう、敵を倒しているだけで気持ちいい。

雰囲気は懐かしいけれど、ゲーム的には当時のハードでは実現できない内容になっていて、そのギャップが不思議な魅力なんです。

どんだけ敵が現れても、さくさく倒せる!終盤の敵の量は、とんでもないです。

世代じゃない人にとっては、ついていけないネタも多く、古臭く見えてしまうかもしれませんが……純粋にゲームとしての完成度が高い一本になっています。

今作はゲームシステムが大きく変わったことで全ステージ完全新作になっています。前作ニンテンドー3DS版『みんなで まもって騎士 姫のトキメキらぷそでぃ』をプレイしていた方も、ぜひ挑戦してみてください!

制作者に聞いてみよう

さて、今回はそんなこだわり満載の『まもって騎士』を開発された、株式会社エインシャントの和田さんにお話を聞いてきました。

株式会社エインシャント:

1990年にサウンドクリエイターの古代(こしろ)氏(※)によって設立され、現在従業員数は7名。代表作は『ベアナックルⅡ』『バトルバ』などが挙げられる。社名は「古代(こだい)」の英語「ancient」から来ている。

※古代祐三:日本の作曲家、ゲームプロデューサー。主にゲーム音楽を手がけており、代表作に『イース』『アクトレイザー』『新・光神話 パルテナの鏡』『世界樹の迷宮』シリーズなどが挙げられる。

 

和田さん、こんにちは!

『まもって騎士』は、8ビット表現へのこだわりが詰まっていますね。

ファミコンの頃の表現が好きで、そこはとてもこだわっています。例えばドット絵。

2Dドット絵のアニメーションを制作するWindows用ソフトを自社で用意したのですが、1997年から使っているんです。

ただ本当に昔のツールなので、Windowsの更新が来るたびに使えなくなってしまわないか冷や冷やしています……。もちろん新しいツールも試したりはするのですが、ドット絵が滑らかに動きすぎてしまうんですよね。

『まもって騎士』では昔のファミコンの頃のような動きの固さが欲しくて、いまだにこのツールを使い続けています。

もうツールからこだわりに溢れているんですね……!

サウンドの方も、3DS版からはファミコン音源を使用していると聞きました。

そうですね。古代のこだわりでもありますが、ファミコン上で再生した音源を使用しています。いわゆるシーケンサーなどで作曲すると、綺麗にできてしまうんです。そこが、ファミコンだとちょっと「もたつく」感じに表現できるんです。デジタルだけどアナログな雰囲気が出るのが好きなんです。

この懐かしい感じがいいんですね。

また、敵を倒した時の効果音もいいですよね。あのおかげで、ずっと気持ちよく攻撃し続けられてると感じました。

そこもこだわったポイントの1つです。ファミコン音源ではハードの制約上、1つの効果音しか再生ができないんです。多くの効果音が至るところで発生するゲームなんですが、発生した効果音の頭の方だけを優先的に再生していくことで、連続ヒットの気持ちよさを保っています。

今作で1番影響を受けたのは「サーモンラン」!?

今回は新しくオンラインでも協力モードも入りましたね。

はい、実は今作の協力モードでは『スプラトゥーン2』の「サーモンラン」の影響を大きく受けているんです。本作の開発中、ずっとプライベートでハマっていたんです。

サーモンランの画像:和田さんのサーモンラン戦績です。

サーモンランの「負けたときに悔しい!」と感じれる部分がとても好きなんです。

ゲームは、負けたときの状況が「明らかに無理」だとそこで思考が止まってしまい、二度とやる気がおきなくなってしまいます。サーモンランでは負けたときに「自分の役割が果たせていたか?」「判断が遅くなかった?」といった反省点が見つけやすいと感じています。

『まもって騎士』でも、そういう点は以前からも大事にしていて、例えば、バリケードの回復のしやすさ、敵の発生ポイントの耐久力、敵自体の体力、などのバランスは危機的状況でも判断と行動が適切であればプレイヤーが状況打破できるように設定しています。

負けても「もう一回!」と思えるように、いろんな調整が施されているんですね。

そうですね。あと、特に参考にしたのがプレイの長さと構成ですね。

サーモンランは3Wave構成で、Waveが進むと難度もあがり、ランダムに状況が変化します。これによりリピート性の高い遊び心地があると感じました。

『まもって騎士』にはランダム性は無いのですが、1回のプレイ時間や構成を参考にしました。またステージ間のインターミッションでレベルアップを行わせることで、ゲーム展開や役割に変化が出せるようにしました。

レベルアップの内容によって、役割分担も変わってきます。

元々はグラフィックデザイナー、でも1人でほぼ全て開発した前作

『まもって騎士』シリーズ開発のきっかけを教えてください。

元々私たちの会社では、受託開発が多かったのですが、オリジナルのタイトルを作りたいと考えていました。そこで、まずは1人で作ってみようと思い、企画書もなにもないところから生まれたのがこの『まもって騎士』の原型でした。気持ちよいアクションゲームを試していた中で、「まもる対象」を持たせたゲーム性を試行錯誤していく中でこれに行きつきました。

開発当初は、もう少し真面目路線を行く予定だったらしい。

そもそも、1人で何でもこなすスーパープログラマーだったのでしょうか?

いいえ、自分はもともとグラフィックデザイナーでした。

なのでプログラミングすら知らないところからのスタートだったんです。

30歳からプログラミングのC言語から始めました。

すごい行動力ですね!

BGMなどのサウンドは、弊社の古代が主に作曲を手掛けています。それ以外のプログラムからドット絵、ゲーム中のスクリプトから効果音まで、ほぼ1人で手掛けていました。自分が会社全体を統括して見ていたのですが、自分しか『まもって騎士』にリソースをさくことができなかったんですね。そういう経緯もあり、3DS版はBGM以外をほとんど1人で開発することになり2年ほどかかりました。

3DS版も今作と同じくらいボリュームがありましたが、まさかほぼ1人で開発されていたとは……。

次作は新作RPG

次作はまた全く別のゲームを考えられているんですよね?

はい、次はRPGを考えています。それも「戦略性の高いRPG」です。

上手く戦闘のコマンドを入力すると、それを評価してくれるような仕組みを作れないかなと考えていて…まだあまり言えることは無いのですが、RPGの昔ながらの部分を残しつつ、新しい形を作れたらなと思ってますよ。

また雰囲気がガラっと変わったゲームです。

エインシャントさんの作る新しいRPG、すごく楽しみです。最後に一言お願いします。

『まもって騎士』シリーズはこだわりをもって楽しんで作ってきました。

そのこだわりの部分が、プレイヤーの皆さんにまた伝わると嬉しいです。

和田さん、ありがとうございました。

『すすめ!! まもって騎士 姫の突撃セレナーデ』は本日発売です。ぜひみなさんもプレイしてみてください。

 

それではみなさん、よいインディーライフを!

©Ancient corp.,2019 SOUND COMPOSED BY YUZO KOSHIRO

この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。