開発者が語る『Ever Oasis』の世界 Vol.5

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みなさん、こんにちは。
『Ever Oasis』 、プロデューサー兼ディレクターの株式会社グレッゾ石井浩一です。

第4回では、主人公たちが暮らすオアシスについてお話ししました。第5回はその続きで、オアシスを彩るもの「ハナミセ」「シナモノ」「デコ草」「アソビバナ」などをご紹介し、残るオアシスの要素、栽培園や主人公の自宅についてもご紹介します。

ハナミセ

ナカマになったタネビトは、1人1つずつ「ハナミセ」を建てることができます。ハナミセはタネビトがもって生まれる種から育つ、植物でできたお店で、それぞれハナミセの店主が好きなものを売っています。
お客さんがシナモノを買うための代金はアクアジェムで支払われ、ハナミセに売上が貯まっていきます。こうして貯まったアクアジェムを、オアシスの長は使うことができるので、さらに新しくナカマになったタネビトのハナミセを建てたり、カオスモンスターからみんなを守るために合成の木で武器を作ったりします。

図:店主の個性が感じられるハナミセたち

タネビトの設定を考えたとき、オアシスの長である主人公が「大樹」で水を守る象徴であるならば、ナカマのタネビトたちはその周りで色鮮やかに咲きほこる「花たち」、というイメージがありました。

オアシスの長やタネビトたちの思いを「オアシスを訪れた旅人が、大樹に魅せられ、花々にいやされて笑顔を生む」というビジュアルで表現するために「ハナミセ」という設定は生まれました。ハナミセの並ぶ大通りのにぎやかさは、タネビトみんなの「オアシスのために!」という気持ちそのものです。

ハナミセの色とりどりの見た目は、タネビトたち1人1人の個性そのものです。それぞれに存在価値があり、誰かに求められるものになっています。多種多様なハナミセがあるおかげで、色んな旅人が訪れ、オアシスには笑顔やアクアジェムが増え、さらに新しいハナミセを作ってくれるタネビトたちもオアシスに根付いてくれます。

『Ever Oasis』では30を超える種類のハナミセがあり、それぞれ3段階のランクアップが可能です。ランクアップするとハナミセの見た目は大きく変化します。ハナミセをランクアップさせるためには素材を納品して、店主からの「特別なおねがい」を達成する必要があります。
特別なおねがいは、店主ごとの連続するサブクエストになっていて、メインストーリーを進めるだけでは知ることができない、ナカマのタネビトたちの一面をのぞくことができます。ハナミセの中から2つご紹介してみます。


これは「かざぐるま屋」で、店主は「パミ」といいます。彼の作る風車は、手元でくるくると回るだけのおもちゃですが、暑い砂漠において、ひとときの清涼感といやしを提供してくれます。
店主のパミは、やや内気で自信がない性格のようですが、人を笑顔にできるようになりたいと志しており、主人公に相談を持ちかけます。
果たして彼は、本当の笑顔を見つけることができるでしょうか?


これは「ドリンク屋」で、店主は「エビオ」といいます。彼女は砂漠に生えているサボテンの果肉から、おいしい飲み物を作るのが得意です。緊張しがちな性格らしく、特に初対面の人と話す時には、よく語尾をかんでしまいます。

そんな彼女は、キドゥン岩山で修行しているウア族の戦士を見かけました。ひとりきりで人を避けるようにふるまう様子が気になり、主人公に一緒に会いに行ってくれるよう相談します。


ハナミセの種類の数だけ、ナカマになるタネビトがいて、タネビトそれぞれにこのようなサブストーリーをたくさん用意しています。お気に入りのタネビトのハナミセから、ぜひランクアップしてみてくださいね。

シナモノ

次はハナミセで売られる「シナモノ」のご紹介です。
ハナミセで売っているシナモノは、旅人が買っていくもので、主人公自身がアイテムとして使用できるわけではありません。
極端な話で言うと「クレープが売れました」という文字で事は足りてしまうわけですが、旅人たちがハナミセに入って、どんなものを見て、どんなものを買って喜んでいるのか共感できるように、シナモノにはすべてデザインを用意しました。 

こちらはクレープ屋で売られるシナモノです。さくらんぼを頭にのせたひよこ型のプリンが、とってもかわいいですね。

お客さんにも好みがあります。物語の序盤には、ペンクロウがフルーツ屋を訪れている様子をよく見かけるでしょう。また、ナカマが好むハナミセが建っていると、スマイル(幸福の度合い)が良い状態になっていきます。「ハピネス」という項目で、ナカマが好きなハナミセが見られますので、ゲームになれてきた頃に、「あ、この人はこのハナミセが好きなんだ」という、意外な好みに気づくことができます。

ちなみにボール屋であれば、このような感じでデザインを検討しました。ハナミセのランクアップにあわせて、シナモノも高価なものにランクアップします。ナカマを増やした時は、旅人自身だけでなく、ハナミセやシナモノの変化にも注目してみてください。

デコ草

次は「デコ草」の紹介です。
オアシスには、ハナミセだけでなく「デコ草」を置くことができます。デコ草は、種類や置き方によって、ハナミセの売り上げをアップさせることができるので、配置に個性を出すことができます。

「オイシ草」は、となりに建てたグルメ系ハナミセの売上を増やす効果があります。(デザインも何となく「おいしそう」?)
ハナミセには大きく分けて、グルメ系、おしゃれ系、グッズ系の3種類があります。グルメ系の八百屋とフルーツ屋の間に、オイシ草を置く、といった配置をすると、大きな効果が期待できますね。

「クックル草」は、となりに建てたハナミセでペンクロウが買い物をする時に、商品が高値で売れる効果があります。シナモノにも売上単価が安いけれど素材が手に入りやすいものと、売上単価が高いけれど素材が手に入りにくいものがあります。
貴重なものを売っているハナミセのとなりに置いてみるのが良さそうですね。

エジプシャンな雰囲気のある、愛らしいネコのような姿をしたこのデコ草は「シストラム草」です。
いったいどんな効果があるのでしょうか…!
是非ゲーム内で確かめてみてください。

デコ草も20種類以上用意しています。行商人が売っていたり、おねがいの報酬になっていたりするので、ぜひたくさん集めてみてください。

アソビバナ

最後に「アソビバナ」の紹介です。
アソビバナも、ハナミセやデコ草と同じように、オアシスの通りに置くものですが、主人公がふれると、ちょっとしたアクションをしてくれる仕掛けがついています。これはデコ草よりも貴重で、手に入れるのがより難しいコレクション要素となっています。

図:アソビバナのコンセプトイメージ(石井)

アソビバナは、遊具で遊んだ後にハナミセで買い物をする「ショッピングモール」のような雰囲気を出したかったのと、にぎやかな街並みにしたいという思いから取り入れました。

遊んでいる人だけでなく、それを見守っている人も楽しめるものとしても考えていましたが、振り返って考えてみれば、オアシスでの喜びの気持ちを、体を使って表現したかったのかもしれません。

第4回の最後に少しお見せしていたのは「ハンマーゲーム」というものでした。スタートすると主人公が台の上に乗ってハンマーを上下に動かすので、タイミングよくAボタンを押すとハンマーを振り下ろします。タイミングがよければ、主人公は上部に跳ね上がり、見事な花が咲き誇ります!

図:ハンマーゲームの検討デザイン

ちょっとした遊びですが、私から出したコンセプトイメージのアソビバナは、すべてゲーム内に実装されていますので、ぜひあそんでみてください。ちなみにアソビバナも、デコ草と同じように、置いておくだけでハナミセの売上に貢献する効果があります。

図:ブランコの検討デザイン

さて、それでは大通りから、残りの場所の説明へと移りましょう。
少し足早になりますが、栽培園と主人公の自宅について見ていきます。

栽培園

栽培園は、棚状の土地に畑が並んでおり、果実の木が植えられています。砂漠では見ることもできないような、みずみずしい果実がなっており、畑には野菜などが育っています。
植物を栽培することができる点だけを見ても、オアシス内は豊かな土壌に恵まれていることがうかがえます。

図:栽培園のデザイン

手に入れた種を栽培園に植えて育てることができます。ここでアイテム合成の材料を育てるもよし、ハナミセで売るための素材を作るもよし、栽培園の使い方はオアシスの長に任せられています。

畑に種を植えてから、ゲーム内時間で2日ほどで収穫することができるので、朝起きたら作物を収穫して次の種を植え、ハナミセに素材を納品して冒険に出る、といった自分なりのサイクルを作るのが良いでしょう。

自宅

最後に、主人公の自宅です。オアシスの長である主人公の自宅は、大樹の泉のほとりにあります。
夜にすることがなくなったら、自宅のハンモックで寝て、翌日の朝にすることができます。
また、重要なのが自宅の2階でできるようになる「アイテム合成」です。

ストーリーが進むと、主人公の自宅2階に合成の木を植えることができ、冒険で必要な素材を集めて、新しいアイテムを作ることができるようになります。アクションがどうしても苦手で、レベルを上げてもなかなか強敵に勝てない…という場合は、回復アイテムを持てるだけたくさん用意したり、強力な武器を作って挑んでみましょう。きっと活路が開けるハズです。

素材は敵を倒して手に入れるだけでなく、ダンジョンの中にある鉱石から採掘したり、穴掘りをして手に入れるものもあります。素材の入手先も見られるようにしていますので、ナカマを集めながら、ぜひあきらめずに挑戦してみてください。勝てなかった敵を倒せたときの達成感や喜びは、きっと苦労を上回ってくれるものだと私は信じています。


2回分に渡ったオアシスの中の紹介ですが、オアシスの様子はイメージできたでしょうか。オアシス内には、まだ「大樹の泉」という重要な空間があります。ここは「大樹」と「精霊のほこら」があり、オアシスを守る虹の力の源となっています。この虹の力は、バトルとも大きく関わりがありますので、第6回で「バトル」と一緒にご紹介したいと思います。

では、また次回お会いしましょう。

4コマ:ヴィストラーダの日常④「ロトのハナミセ」

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