開発者が語る『Ever Oasis』の世界 Vol.1

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みなさん、こんにちは。
『Ever Oasis』 、プロデューサー兼ディレクターの株式会社グレッゾ石井浩一です。

※ 主な開発実績:『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』など

本日4月13日に、Nintendo Directでもメッセージを発信させていただいた『Ever Oasis』について、昨年のE3からお待たせしてしまいましたが、ついに正式なタイトルが決まりました。 『Ever Oasis(エヴァーオアシス) 精霊とタネビトの蜃気楼(ミラージュ)』です。

『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』は、砂漠の世界で繰り広げられる、新規のアクションアドベンチャーRPGです。タネビトと呼ばれる種族の主人公、水の精霊イスナをはじめ、たくさんの個性豊かなキャラクターたちが、この砂漠の世界「ヴィストラーダ」に生きています。

映像では語りきれない部分や、このゲームがどうやって生まれたのかについて、任天堂公式サイトのトピックスをお借りして、ゲームの発売までの間、開発者から情報発信していきますので、よろしくお願いいたします。

突然ですが、みなさん旅行はお好きでしょうか。
私は今から10年前、エジプトに旅行に行きました。その際に見た、エジプトの陽の光、そして、大気のレンズから見える景色はとても幻想的で、それらに魅せられた私は、次第にエジプトの世界観をもった、エジプシャンファンタジーを作りたいと思い始めていました。

これらは、その旅行の時に私が撮影した写真です。

エジプトの各地をまわり、昔の建造物や文化にふれ、その時代の人々の生活や考えなどを自分なりにイメージをふくらませていく中で、私はすでにあるエジプト神話をベースに何か作るのではなく、砂漠を生きてきた人達の心に注目した、新しい世界観を作り上げたいと感じるようになりました。そんな思いからゲームの開発を始め、ついに形になったのが 『Ever Oasis』です。

図:初期のオアシスのコンセプトアート

『Ever Oasis』の舞台は、砂漠に覆われた過酷な世界です。砂漠にはカオスとよばれる存在がいて、カオスに取りつかれた動物は、凶悪なカオスモンスターになってしまいます。そんなカオスをしりぞけて、生活を守るために形成されるのが、オアシスというコミュニティです。オアシスには様々なお店が立ち並び、栽培園では作物が育ち、通りには人々の笑い声が響いています。そんな彼ら、ナカマの生活を守ることが、オアシスの長である主人公、つまり、あなたの役割となります。

オアシスの人々を守るためには、おねがいを聞いてあげるだけでなく、広大な砂漠に冒険に出てお店の商品の材料を手に入れてきたり、謎めいたダンジョンやカオスとの戦いにも挑んだりする必要があります。

ただ一方的に守ってあげるばかりではありません。あなたが頑張った分、ナカマたちの笑顔はそのままあなたの力になり、また個性豊かなナカマたちが、共に困難に立ち向かってくれます。

私は、皆さんがゲームを遊んでいただく中で、「自分だけの笑顔」よりも「まわりの笑顔の中にある自分の笑顔」の方が、幸せだと感じられるものになればと考えていました。「この人のために、自分が何かしたい」と思えるような、大事な相手と過ごした日々の思い出は、時が経っても、そして、もしいつか離ればなれになっても、蜃気楼のように色あせることなくよみがえります。そんな思いを持って、タイトルにも「蜃気楼」という言葉を盛り込みました。『Ever Oasis』の主人公として、パートナーとなる水の精霊イスナやナカマたちと、たくさんのよい思い出を作っていただければと願っています。

ゲームでは、彼らの砂漠の世界での物語を体験していただけますが、ここトピックスでは、彼らが生まれる「前」の開発中の物語を中心に発信していきますので、どうぞお楽しみに。

7月13日発売予定の『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』を、どうぞよろしくお願いします。

© 2017 Nintendo / Grezzo

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