「Hello! インディー」第12回 間取りにメモれ!謎解きゲーム『マドリカ不動産』。

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Hello! SOEJIMAです。みなさん謎解きはお好きですか?
「謎解きゲーム」と呼ばれるイベントが最近増えていますよね。今日はそんな謎解きゲームの雰囲気が楽しめる『マドリカ不動産』のご紹介です。路線図に続き、「間取り」も身近ではあるもののゲームのテーマとしては珍しいですよね。
今回も制作者に聞くコーナーがありますのでお楽しみに。それではまずはこちらの動画をご覧ください!

デジタルでは再現できないアナログならではの体験

『マドリカ不動産』は物件の「間取り」がカギとなる謎解きゲームなので、ゲーム内の各物件に隠された謎を解くためには、間取りを把握しなければいけません! 間取りはゲーム内でも確認できるんですが、スマートフォンで確認したり、PDFファイルをダウンロードして紙に印刷することもできるんです。より謎解きゲームの雰囲気を味わいたければ、紙に印刷してのプレイがオススメ!こちらからPDFをダウンロードできます
画面を見つつ、手元の間取りにヒントをメモしながら、謎を解いていくのが楽しいんです! この紙にメモする楽しさは、デジタルゲームでは再現できないアナログゲーム(※)ならではの体験なんですね。中には紙ならではの仕掛けを持ったステージも登場しますのでお楽しみに!

※アナログゲームとは、コンピュータを使わないゲーム全般を指します。かるたやトランプはもちろん、ボードゲームなども含まれます。「非電源ゲーム」などとも呼称されたりしますね。

間取りとNintendo Switch、今までにない組み合わせ。メモを書いていかないと、クリアは結構難しい!

今日はそんな『マドリカ不動産』で扱われる物件の中から、いくつかの間取りをさらっとご紹介!

どこかのRPGのダンジョンとして出てきそうな間取りですね!これは迷いそうだ……

これは本当にありそう!ここにどんな謎が隠されているのでしょうか?
ちなみに泉町3丁目はこのゲームが作られた会社の住所らしいです。

この六角形の合わさった形、……どこかで見覚えがあるぞ! ピンときたあなたはボードゲーマー!

このステージの名前からすると、紙を折りたたむのがポイント!?
紙ならではのギミックもあったりするんですね!

ほかにもいろいろな物件の間取りが、『マドリカ不動産』には用意されていますよ!
またJoy-Conをおすそわけしてプレイすることもできるので、2人で挑戦することも可能。友達や家族を誘ってプレイすれば、謎が解けた達成感もおすそわけできること間違いなし!

制作者に聞いてみよう

今回は『マドリカ不動産』の社長……ではなくて、制作者「ギフトテンインダストリ」の濱田さんに聞きました!

ギフトテンインダストリ:企画&プログラムの濱田さんとアーティストの村瀬さんの2人で構成。設立4年の東京の会社。元々ボードゲームをメインに制作しており、近年はボードゲームとVRを組み合わせた作品も制作。

作ったきっかけは配送対策?!

濱田さんこんにちは! まずは『マドリカ不動産』を作ったきっかけを教えてください!

元々はボードゲームを制作して販売していたのですが……ボードゲームって配送が大変なんです。世界中の人に遊んでもらいたいのですが、例えばブラジルまで届けようとしたら本当に大変で、それを痛感していました。

自分もボードゲームをよく遊ぶのですが、箱が大きいものもあったりと配送には苦労しそうですよね。

そうなんです! もうオフィスもボードゲームでいっぱいです。そこで、お客さんに紙を印刷して遊んでもらう方法は無いかな?と模索していました。
そんな中、最近「シャーロック・ホーム10の怪事件」というゲームブックを遊んだときに、メモを取りながら進めるのがとても楽しかったんです。本以外にも地図や住所録が別冊で付いていて、みんなでそれを参照しながら、メモをしながら推理して謎を解いていく。この体験をビデオゲームと紙とペンで再現できないかな?というのがきっかけでした。

このゲームブックも楽しそうですね! 本当に探偵の気分になれそうです。(こちらの本は現在絶版となっています)

思ったよりも地図や住所録が細かくて凄い!これがきっかけだったんですね。
そこにどうやって「間取り」というテーマが?

色々試した中でも、ゲームのアイディアが広がりやすかったんです。あと僕たちのような小さなチームだと大々的なプロモーションができないので、キャッチーなテーマで目を引かなくてはいけません。どんなシーンが広報に使えそうか最初に考えるんですけどたくさんの間取りに囲まれてゲームをやる様子は、なんだかヤバそうだなと。
間取りに詳しいわけではなかったのですが……間取りのチラシを集めたり間取りの本を読んだりしたおかげで、今ではすっかり間取りに詳しくなってしまいました(笑)。

間取りをたくさん広げている人なんて、日常では引っ越しを考えている人くらいですもんね!
謎解き自体も歯ごたえがあったのですが、謎はどうやって考えていたんですか?

もともと謎解きゲームはあまり遊んでいなかったので、まずは色々な謎解きゲームに参加して研究しました。それらの要素を取り込んで、それぞれで異なるネタのステージを20個つくりました。間取りから謎解きまで、初めてのことだらけで苦労しましたね。

開発中は部屋中が間取りで埋め尽くされていたそうです。

ゲーム会社から陶芸家に、そしてボードゲーム会社を設立

「ギフトテンインダストリ」を立ち上げる前には、どんなことをされていたのですか?

元々大手のゲーム会社に勤めていたのですが、そこを辞めて陶芸家として暮らしていた時期がありました。たまたま家に窯があったので、陶器を焼いてそれを手売りしていました。

たまたま家に窯……!? ちなみに、どんなものを作っていたのでしょうか?

主に陶器のボタンを作っていました。最初はマグカップなどの食器も作ったりしていましたが、とにかく場所を取るんです! そこでボタンを作ることにしました。一人で作って運んで手売りするには小さくて軽いボタンがちょうどよかった。
なんか、『マドリカ不動産』を作るきっかけと似ていますね。(笑)

実際に濱田さんが作っていた陶器のボタン

陶芸の手売りはとても楽しかったのですが、一方でやはりゲームを作ることがやりたくなってきてしまい……ゲームとモノづくりが絡んだことがしたくて、ボードゲームの会社をはじめました。

お客さんの反応を直に感じられるのがインディー開発の醍醐味

陶芸家を経てから、ふたたびゲーム開発に戻ってこられたんですね!

陶芸家とインディー開発は似ていると思うんですよね! 自分で作って直接お客さんに見せに行ける。お客さんとの距離の近さが僕は好きなんです。今回も、開発中の試作をボードゲームの展示会「ゲームマーケット」に持って行きました。

「ゲームマーケット」で開発中のゲームをお客さんにプレイしてもらって、意見やフィードバックをもらっていたのですね。

はい、個人的にはこれがインディー開発の一番の醍醐味だと思っています。目の前のお客さんの顔を見ながら、手ごたえを確かめたり改良できたりするのがいいですよね。その中で一番大事なのが、お客さんが楽しそうにプレイしている瞬間を見つけて、その仕様を伸ばすこと。直接意見を聞いてもなかなか出てこないもので、実際の反応をよく観察するのが一番参考になるんです。

例えば、お客さんの意見によって大きく変わった仕様はありますか?

Joy-Conのおすそわけプレイですね。もともと1人が操作する前提でしたが、試しに2人とも操作をできるようにしてみたんです。最初は、面倒かな?と思っていたのですが、段々と卓球のラリーが続くように、コマンド入力の息があってくる。これがとても楽しそうだったのでこの仕様を採用しましたね。

自分も最初は煩雑かなと思いました。でも息があってくるにつれて、不思議と楽しい気持ちになりましたね。
それでは最後に、みなさんへメッセージをお願いします!

このゲームはお客さんとの会話から得たものがいっぱい詰まっていますので、まずはフィードバックしてくださった方々に感謝の気持ちを伝えたいですね。
あとはちょっと面倒かもしれませんが、ぜひ間取りを印刷してメモを取りながら遊んでみてほしいです。例えば喫茶店で、家族や友達と並んでプレイしてもらえたらなお嬉しいですね!

濱田さん、ありがとうございました!そんな『マドリカ不動産』は本日発売です。

それではみなさん、よいインディーライフを!


GIFT TEN INDUSTRY K.K.

edited by : SOEJIMA・BOKU
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